宮本充のきまぐれ週報2

宮本充のきまぐれ週報2

祝・千秋楽!

ャリングクロス街84番地」、盛況の内に千秋楽の幕を閉じることが出来ました。
お越し下さった皆さま、本当に有難うございました。
千秋楽の翌日は、久しぶりに体調をちょっと崩しました。
でも、その翌日には元気になりました。
そう言えば、今年はまだ夏バテになっていません。
今年は冷夏なんですかね。
その日の天候も知らず、毎日、空を見上げることもなく稽古場に通っていたような気がします。
プロ野球も、大リーグも、オリンピックさえも殆ど見ることなく、稽古漬けの充実した日々でした。
気が抜けて、これから夏バテになるのかも。

台には、映画化されている作品がよくあります。
稽古中、または稽古が始まる前に、その映画を参考に見るかどうか。
そこは迷うところです。
役作りの手助けになるもこともありますが、逆に悪い影響を受けてしまうこともあります。
僕自身、若い頃に、映画版を見て、失敗したことがあります。
映画版が悪いというのではありません。
映画と舞台では作り方も違いますし、監督と演出家によって解釈も異なります。
うまく利用できればいいのですが、それに縛られてしまう危険性があるのです。

今回の「チャリングクロス街84番地」にも映画版がありましたが、そういう理由で見ないことにしました。
でも、31年前、駆け出しの頃に見た舞台の記憶はしっかりと残っています。
それを見て、「いつかはこの舞台を」と思い続けてきたのです。

でも正直に言うと、その記憶に苦しみました。
「この台詞、内田さんはどう仰っていたか」
「内田さんは、こんな風には演じていなかったのではないか」
そんなことばかり考えていました。
稽古を見に来てくれた先輩がメールでくれた「新鮮なフランクでした」という言葉に、「内田さんと違うのか」と否定されているような気分になりました。
「やっぱり内田さんにはかなわなかったな」と先輩たちの言葉が聞こえるような気がしました。
元々、自分はフランクの柄じゃないんじゃないかと考え出しました。

気持ちが楽になったのは、前回のブログで書いた、初日に見に来てくれた学生時代の友人の一言でした。
「今まで見た、宮本の芝居の中で一番面白かったで」
友人は内田さんのフランクは見ていません。
彼にとってのフランクは、僕が演じたフランクなのです。
31年前の舞台と比較する人なんて殆どいない。
と言うより、一番比較しているのは自分じゃないか。

演中、神戸在住のお客様が見に来て下さいました。
ずっと昴を応援して下さっている女性の方です。
その方が、今回、古い冊子を持って来て下さいました。
神戸演劇鑑賞会の23年前の機関誌。
開くと、当時の鑑賞会の例会の「チャリングクロス街84番地」の舞台写真が載っていました。

チャリング・初演

この写真を見た時に、僕は重圧から解放された気持になりました。
そして、自分で作った重圧に苦しんでいたことに馬鹿馬鹿しくなり、ちょっと笑ってしまいました。

同じフランクの衣装を着ていても、内田さんと僕とは全然違う人間じゃないか。
内田さんは内田さんのフランクを作った。
僕は僕のフランクを作ればいい。
それがお客様のフランクになるんだ。

晩、いつも昴の舞台を見に来て下さる、ある先輩の俳優さんからお電話を頂きました。
「宮本君、この役、手放しちゃ駄目だよ」

舞台を終え、ひとまず台本を書棚にしまいます。
また取り出す時を楽しみに。
稀覯本になる前に。
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  1. 2016/08/24(水) 02:26:47|
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初日の幕、開く!

日、初日の幕が開きました。
お越し下さった皆さま、どうも有難うございました!

動きの殆どない、台詞だけの芝居です。
ニューヨークとロンドンとの、海を隔てた20年にわたる手紙のやり取りを、舞台でどう表現するのか。
初めてご覧になった方は、幕開きは、かなり戸惑われたのではないかと思います。

この舞台、お客様に受け入れられるのか、実は心配でした。
「チャリング・クロス84番地」を初めて見た時は、本当に感動しました。
でも、僕の役を演じていたのは、紀伊国屋演劇賞も受賞された内田稔さん。
そして、ヘレン役も、同じく紀伊国屋演劇賞を受賞された新村礼子さん。
名優お二人の舞台にどこまで近付くことが出来るか。
やる前から、「やっぱり、足元にも及ばなかったなあ」という劇団の先輩達の声が聞こえてくるようでした。

日の幕開き。
暗転の間に舞台に登場し、明りが入ると、最前列席のど真ん中に、学生時代の友人がドンと座っているのが目に入り、一気に緊張が高まりました。

終演後に彼と話しました。
「おい、宮本。俺が見た、お前の芝居の中で、一番、面白かったで」
その一言で、今までの緊張がスーッと解けたような気がします。

今日はソアレ。
そろそろ自宅を出て、劇場に向かいます。
今日の午後が、公演中、唯一の休める時でした。
今夜から、夜、昼、夜、昼、夜、昼と続きます。
体調に気をつけて、精一杯、舞台をつとめたいと思います。
皆さまのご来場をお待ちしています!


  1. 2016/08/18(木) 15:46:34|
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追加公演やります!

ャリング・クロス街84番地」
初日まで、いよいよ、残り1週間となりました。
昨日、今までの稽古場から、「Pit昴」に移り、本番と同じ場所で稽古をしました。
今までなかった壁があったり、手すりがあったり、持っている傘をそこにぶつけたり、新しく出来た高低差でつまずいたり。
何度も何度も途中で止まり、長い、長~い通し稽古になりました。
でも、公演と同じ場所で、1週間出来ると言うのは、有難いことです。

皆さま、沢山のご予約を本当に有難うございました!
お蔭さまで、18日(木)以外は全て売り切れとなりました。
追加公演のお知らせ
20日(土)19時に追加公演をします!
平日がご無理な方は、是非、お越し下さい!
ご予約はこちらまで。
お待ちしていま~す!
申し込み先
  1. 2016/08/12(金) 00:58:40|
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イギリス人

「旅客船が難破しました。3人のイギリス人だけが助かり、無人島に流れ着きました。さて、3人のイギリス人は最初にまず何をするでしょうか?」

答は、「階級の順番を決める」

以前、昴の公演「隣で浮気?」に出演した時、稽古の時に演出家のニコラス・バーターさんは教えてくれたジョークです。
「隣で浮気?」の作者はイギリスの人気喜劇劇作家、アラン・エイクボーン。
氏の喜劇は単なる明るい笑いだけではなく、ブラックな要素がたくさん含まれています。
イギリス社会の問題や家庭の問題など。
われわれ日本人には分からないこともあります。
そこで、イギリス人のバーターさんが、この話をしてくれたのです。

イギリスの階級社会は有名です。
しかし、相手の話す言葉を聞いた瞬間に、相手の出自が分かり、それで相手を判断するなんて、我々日本人にはちょっと考えられません。
でも、そういうものがあるから、作家のバーナード・ショウは「ピグ・マリオン」(映画版は「マイ・フェアレディー」)を書けた訳で、世の中に犯罪も問題も心配も苦労もなく、皆が幸せに暮らしていたら、戯曲は生まれないのかもしれません。

僕は、イギリスのドラマが好きです。
派手さはないけど、ひねりが効いていて、見応えがあります。
僕の独断ですが、イギリスのドラマは、

画面が暗い…空はたいてい曇っている。
話が暗い…爽快、痛快なものはまずない。
美女が出てこない…主人公でさえも!
主人公に変わり者が多い…シャーロック・ホームズ、エルキュール・ポアロ(イギリス人ではないが、作者はイギリス人)、心理探偵・フィッツなどなど。僕が声で出演した、「ホワイト・チャペル」というドラマの主人公は、病的な潔癖症でした。

こういった傾向のドラマが多いということは、国民がそういうものを好む訳で、そこは国民性なのでしょう。

、母が「これオモロイで、読んでみい」と、ある本のコピーをくれました。
色々な国の国民性が面白おかしく書いてあるものです。
イギリス人もありました。

イギリス人とは、ほとんど感情を表に出さず、理解に苦しむ料理を作る。
イギリス人は、不便を楽しみ、わざと喜びのない人生を送っている。
イギリス人は、エスカレーターが込み合っていても、前の人との間に、ひとつ段をあける。
イギリス人は、話しながらジェスチャーをする人間をうさんくさい目で見る。

かなりディフォルメしてあるところもあるのでしょうが、そうかもね…思わせるところあります。

ャリング・クロス街84番地」で僕が演じるフランクはイギリス人。
真面目で、感情をあまり表に出さず、陽気にジョークを飛ばしたりするアメリカ人のヘレーンとは対照的です。

手紙のやりとりの中で、ヘレーンが「本の代金のおつりの12セントはコーヒーでもお飲みください」と書くと、フランクは真面目に、「12セントはそちら様の貸方勘定に記入させて頂きました」と返します。
12セントくらい、貰えばいいのに。
ヘレーンは、別の人に宛てた手紙の中で、フランクについてこう書いています。
「あの折り目正しいイギリス流の謙譲の美徳とやらをついチクリとやってみたくなるのです」

僕自身、フランクに近いような気がします。
イタリアやスペインの青い空より、ロンドンの曇った空の方が心が落ち着くような気がします。

舞台では、堅物のフランクが、ヘレーンとの手紙の交流の中で少しずつ変わっていきます。
その辺も楽しんで頂ければと思います。

ころで、さっきの本のコビーに、日本人もありました。

日本人は、すぐ「われわれ日本人」と言いたがる。
日本人は、自分の好みをはっきり言わない。相手が察してくれるのに任せる。
日本人は、あまり冗談を言わない。言う時は、「これは冗談ですが」と前置きする。
外国にはなくて日本にあるもの。公衆便所の、水の流れる音を出す装置。
日本人は、ブランドと流行に敏感。誰もが、目立たないように目立とうとする。

結構、当たってるかも。
あ、「われわれ日本人」って、さっき言ってるし…。
  1. 2016/08/10(水) 01:07:51|
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初通し、無事に!

日、続けてのブログです。
最近、芝居が「大変だ大変だ」と、愚痴を言っていたような気がして、反省したのです。
大変な芝居が出来る幸せ。
そのことに感謝しなきゃ、と。

昨晩は、ブログを書き終わった後、台本を開いたのですが、やはり睡魔に負けて、途中で寝てしまいました。
朝、続きをやったのですが、時間が足りなくなり、残りは電車の中で。

電車に乗ってると、時々、同業者らしき人を見かけることがあります。
例えば、向かいの席に座って、台本と思われるものを読んでいたと思うと、突然、顔を上げ、微かに唇を動かし、遠くを見つめて悲しげな表情を浮かべたり、かと思うと、突然、今度は、フッと笑ったり。
他の乗客にとっては、間違いなく怪しいヒトですが、僕には同業者だと、ひと目で分かります。
だって僕も、時々やってるから。
時間がない時は仕方がないのです!
ああ、今日も怪しいヒトだと思われていたろうな…

し稽古、無事に終わりました!
出だしは緊張してアタフタしましたが、その後は順調に。
途中からは演じていて楽しくなってきました。

通してみて、初めて分かったこと。
それは時の流れ。
ニューヨークとロンドンに住む二人の間に、静かに、20年の年月が流れていることを実感しました。
本当にいい作品だと実感しました。

皆さま、たくさんのご予約を有難うございました。
お蔭さまで、17日(水)、19日(金) 昼、20日(土)、21日(日)が売り切れとなりました。
Pit昴で、お待ちしています!

  1. 2016/08/05(金) 23:49:47|
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