宮本充のきまぐれ週報2

宮本充のきまぐれ週報2

お金じゃない

う一度だけ、この間の舞台の話を。
「チャリング・クロス84番地」は、有志による公演でした。
主人公のヘレーン役の望木祐子さんが、キャスト、スタッフを集めて打った芝居です。
個人が立ち上げた企画ですから、当然、低予算。
以前にも書きましたが、小道具などは役者も参加しての手作りでした。
そして衣装も自前。

年前、シェイクスピアの「オセロー」をやりました。
僕は悪漢イアーゴ役。
それも個人企画の低予算でした。
小道具の剣も自分で作りました。
(「きまぐれ週報」(「きまぐれ週報2」ではありません)の2011年、2月18日の「竹光」をご覧下さい)
そして、衣装も当然、自前。

オセローの衣装

イアーゴの衣装です。(「きまぐれ週報」2月12日「千秋楽」より)
上から下までユニクロ製。

シェイクスピアは、何でもアリなのです。
作品解釈も時代設定も演出家によって全く変わります。
湾岸戦争の「オセロー」や第二次大戦の「リチャード三世」もあります。
よって衣装も、自由。
シェイクスピアは、とにかく懐が深いのです。

しかし、「チャリング・クロス84番地」はそうはいきません。
ロンドンの、実在する街に実在した店の実在した人達の話です。
見た人に、ロンドンと思わせる衣装でなければなりません。
ユニクロのジャケットでは駄目なのです。
しかし、自腹で本物を買うにも、真夏に秋冬のスーツは売っていません。
途方に暮れていた時、先輩の山口嘉三さんが、「俺のを貸してやるよ」と、ご自分のスーツを持って来てくれました。
「当時のイギリスなら、やっぱりズボンはダブルだろうなぁ。直していいぞ」
とても高価な上着とズボン…ちょっと躊躇しましたが、洋服の直し店に持って行き、ダブルにしました。(もちろん後で元に戻してお返ししましたが)

何度も言っていることですが…やっぱり劇団って、いい!

フランクの衣装

今回の衣装の入手先です。

何人ものお客様から、衣装がとても良かったと言ってもらいました。

舞台装置も低予算。
でも、最後の暗転で舞台上の本が消える場面は、皆さん結構、驚いて下さったようです。
舞台美術家と舞台監督の知恵のお蔭。

舞台って、お金じゃない。
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  1. 2016/09/25(日) 01:42:00|
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今さら舞台裏の話

ャリング・クロス街84番地」が終わって、今日でちょうど3週間。
自転車に乗っている時など、時々今でも、「拝啓マダム。10月5日付けのご書状にお答え申し上げます…」と台詞がつい出て来て、「もう練習しなくてもいいんだ…」と、ちょっと寂しい気持ちになります。

今さらですが、舞台裏の話を少し。
フランク(僕)は、ヘレーンから届いた手紙を読むシーンが沢山ありました。
手紙の封筒は、仕事机の下から取り出す時もあれば、舞台ソデ(楽屋)から持って出る時もありました。
封筒の中には、便せんが、へレーンの台詞の長さに合わせて、1枚から3枚。
そして、便せんと一緒に、紙幣やメモなどが入っているものもありました。
上演中に間違った封筒を出したら大変なことになります。
そこで、段ボールを使って、手紙ケースを作りました。

化粧前

僕の化粧前(楽屋の自分の場所。メイク道具などが置いてあるところ)
手紙を、持ち出す順番に、立てて並べました。
常に一番手前のものを取るようにすれば間違うことはない訳です。
これを見た、共演者の佐藤しのぶちゃんが、とても驚いて感心していました。
「充さん、マメですね~!これ絶対、写真に撮ってブログに載せるべきですよ!」
そんなにマメとは思わないのですが、このぐらいやる人、結構いると思うのですが…。
とにかく心配性なのです。

右上に貼ってあるのは、小道具表。
開演前に、この紙を見ながら、手紙や本などを舞台にセットしていました。
一応、とってあります。
再演の時のために!

有志の公演ですから、こういうことも、全部、自分達でやってました。
小道具の本を自分達で作ったことは、以前のブログに書きましたが、衣装も自分達で揃えました。
それについては、次回。

パクチーのサラダ

ランダのパクチー。
健やかに育ち、収穫されて、サラダになりました。
採れたては香りがいい!

ち亀」が、連載40周年で終了することになりました。
寂しいですが、40年間も続いたというのは、本当に素晴らしいことだと思います。
40周年を記念して、アニメ版が放映されます。
「『こち亀』また始まるんですって?」と、よく聞かれましたが、残念ながら、一回限りのスペシャル版です。
収録は同窓会のようでした。
懐かしいレギュラーの皆さんとの共演は、昔のように自然と息が合って、あっという間に終わりました。
放映は、9月18日。
是非、ご覧下さい!
  1. 2016/09/12(月) 02:08:23|
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祝・千秋楽!

ャリングクロス街84番地」、盛況の内に千秋楽の幕を閉じることが出来ました。
お越し下さった皆さま、本当に有難うございました。
千秋楽の翌日は、久しぶりに体調をちょっと崩しました。
でも、その翌日には元気になりました。
そう言えば、今年はまだ夏バテになっていません。
今年は冷夏なんですかね。
その日の天候も知らず、毎日、空を見上げることもなく稽古場に通っていたような気がします。
プロ野球も、大リーグも、オリンピックさえも殆ど見ることなく、稽古漬けの充実した日々でした。
気が抜けて、これから夏バテになるのかも。

台には、映画化されている作品がよくあります。
稽古中、または稽古が始まる前に、その映画を参考に見るかどうか。
そこは迷うところです。
役作りの手助けになるもこともありますが、逆に悪い影響を受けてしまうこともあります。
僕自身、若い頃に、映画版を見て、失敗したことがあります。
映画版が悪いというのではありません。
映画と舞台では作り方も違いますし、監督と演出家によって解釈も異なります。
うまく利用できればいいのですが、それに縛られてしまう危険性があるのです。

今回の「チャリングクロス街84番地」にも映画版がありましたが、そういう理由で見ないことにしました。
でも、31年前、駆け出しの頃に見た舞台の記憶はしっかりと残っています。
それを見て、「いつかはこの舞台を」と思い続けてきたのです。

でも正直に言うと、その記憶に苦しみました。
「この台詞、内田さんはどう仰っていたか」
「内田さんは、こんな風には演じていなかったのではないか」
そんなことばかり考えていました。
稽古を見に来てくれた先輩がメールでくれた「新鮮なフランクでした」という言葉に、「内田さんと違うのか」と否定されているような気分になりました。
「やっぱり内田さんにはかなわなかったな」と先輩たちの言葉が聞こえるような気がしました。
元々、自分はフランクの柄じゃないんじゃないかと考え出しました。

気持ちが楽になったのは、前回のブログで書いた、初日に見に来てくれた学生時代の友人の一言でした。
「今まで見た、宮本の芝居の中で一番面白かったで」
友人は内田さんのフランクは見ていません。
彼にとってのフランクは、僕が演じたフランクなのです。
31年前の舞台と比較する人なんて殆どいない。
と言うより、一番比較しているのは自分じゃないか。

演中、神戸在住のお客様が見に来て下さいました。
ずっと昴を応援して下さっている女性の方です。
その方が、今回、古い冊子を持って来て下さいました。
神戸演劇鑑賞会の23年前の機関誌。
開くと、当時の鑑賞会の例会の「チャリングクロス街84番地」の舞台写真が載っていました。

チャリング・初演

この写真を見た時に、僕は重圧から解放された気持になりました。
そして、自分で作った重圧に苦しんでいたことに馬鹿馬鹿しくなり、ちょっと笑ってしまいました。

同じフランクの衣装を着ていても、内田さんと僕とは全然違う人間じゃないか。
内田さんは内田さんのフランクを作った。
僕は僕のフランクを作ればいい。
それがお客様のフランクになるんだ。

晩、いつも昴の舞台を見に来て下さる、ある先輩の俳優さんからお電話を頂きました。
「宮本君、この役、手放しちゃ駄目だよ」

舞台を終え、ひとまず台本を書棚にしまいます。
また取り出す時を楽しみに。
稀覯本になる前に。
  1. 2016/08/24(水) 02:26:47|
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初日の幕、開く!

日、初日の幕が開きました。
お越し下さった皆さま、どうも有難うございました!

動きの殆どない、台詞だけの芝居です。
ニューヨークとロンドンとの、海を隔てた20年にわたる手紙のやり取りを、舞台でどう表現するのか。
初めてご覧になった方は、幕開きは、かなり戸惑われたのではないかと思います。

この舞台、お客様に受け入れられるのか、実は心配でした。
「チャリング・クロス84番地」を初めて見た時は、本当に感動しました。
でも、僕の役を演じていたのは、紀伊国屋演劇賞も受賞された内田稔さん。
そして、ヘレン役も、同じく紀伊国屋演劇賞を受賞された新村礼子さん。
名優お二人の舞台にどこまで近付くことが出来るか。
やる前から、「やっぱり、足元にも及ばなかったなあ」という劇団の先輩達の声が聞こえてくるようでした。

日の幕開き。
暗転の間に舞台に登場し、明りが入ると、最前列席のど真ん中に、学生時代の友人がドンと座っているのが目に入り、一気に緊張が高まりました。

終演後に彼と話しました。
「おい、宮本。俺が見た、お前の芝居の中で、一番、面白かったで」
その一言で、今までの緊張がスーッと解けたような気がします。

今日はソアレ。
そろそろ自宅を出て、劇場に向かいます。
今日の午後が、公演中、唯一の休める時でした。
今夜から、夜、昼、夜、昼、夜、昼と続きます。
体調に気をつけて、精一杯、舞台をつとめたいと思います。
皆さまのご来場をお待ちしています!


  1. 2016/08/18(木) 15:46:34|
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追加公演やります!

ャリング・クロス街84番地」
初日まで、いよいよ、残り1週間となりました。
昨日、今までの稽古場から、「Pit昴」に移り、本番と同じ場所で稽古をしました。
今までなかった壁があったり、手すりがあったり、持っている傘をそこにぶつけたり、新しく出来た高低差でつまずいたり。
何度も何度も途中で止まり、長い、長~い通し稽古になりました。
でも、公演と同じ場所で、1週間出来ると言うのは、有難いことです。

皆さま、沢山のご予約を本当に有難うございました!
お蔭さまで、18日(木)以外は全て売り切れとなりました。
追加公演のお知らせ
20日(土)19時に追加公演をします!
平日がご無理な方は、是非、お越し下さい!
ご予約はこちらまで。
お待ちしていま~す!
申し込み先
  1. 2016/08/12(金) 00:58:40|
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