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宮本充のきまぐれ週報2

プロフェッショナル

メディーの舞台が成功したかどうか。
幕間の休憩の時に、それを知ることが出来ます。
面白かった時は、休憩になったとたん、客席は急に賑やかになります。
「面白いね!」「特にあのシーンが!」などという弾んだ会話があちこちで起こり、それが重なって大きな歓声のようになります。
しかし、つまらなかった場合、客席は葬式のようにシーンとしています。
「つまらないな」「特にあのシーンが」などという会話が弾んだ声でされる訳がありません。
無言で立ちあがり、トイレに行くくらいのものです。

で浮気?」の神奈川公演。
初日の横浜の県立青少年センター・ホールでの幕間の休憩。
客席が、ドッと沸きました。
本当に嬉しく、そして何よりホッとしました。

今回の再演、実は大変苦労をしました。
それは、劇場の大きさ。
「隣で浮気?」の初演は、下北沢の本多劇場でした。
本多劇場は、都内で「中劇場」というジャンルに属しています。
紀伊国屋ホール、俳優座劇場、昔の三百人劇場などもそうで、客席数が300~500くらいの規模のものです。
しかし、演劇鑑賞会・市民劇場の例会は、一回り、二回り、いや、それ以上に大きい劇場で行われる場合が多いのです。
小さい声では客席の後ろまでセリフが聞こえません。
だからといって、大声で喋れば、セリフが割れてしまいます。
また、大劇場は声が反響して残る場合があります。
早口で喋ると、自分の声の残響が、そのあとのセリフの邪魔をして、聞き取りにくくなることがあります。
セリフは、はっきりと、丁寧に、粒だてて喋らなくてはなりません。
しかし、「隣で浮気?」は、テンポが命。
テンポは落とさずに、セリフは丁寧に。
これが難しいのです!

視覚的な面もあります。
大劇場には、舞台前面にオーケストラピットがあります。
その上に板を敷き、舞台として使うことも出来るのですが、緞帳(どんちょう)が舞台とオーケストラピットの間にあるため、緞帳を使う芝居の場合、オーケストラピットの部分は使うことができません。
したがって、演技エリアと客席の最前列の間に、数メートルの幅の無人地帯が出来ます。
この数メートルが、観客と役者の大きな心理的な距離となります。
それを埋めるために、演技の細かい所で色々と修正をしなければなりません。
他にも例えば、二階席がある場合、演技中に視線を上げる場面を増やすようにします。
一階席しかない劇場でやっていた演技のままでは、二階席のお客様には役者の視線があまり分からず、自分たちが置いて行かれたような気分になるのです。
このように、地方公演の時は、新しい劇場に入るたびに、声の通り具合、残響の残り具合などを見て、演技を微調整するのです。
芝居のテイストは一切変えることなく!

茅ヶ崎にて


日の茅ヶ崎市民文化会館。
開場直前の誰もいない舞台。
本多劇場の3倍以上の広さです。
でも会員の皆さんは、大いに笑って下さいました。
終演では温かい拍手を頂きました。

にも書いたかもしれませんが、僕は、役者という仕事は、プロとアマチュアの垣根が、他の仕事に比べて低いような気がしています。
囲碁、将棋、相撲などの世界では、プロはアマチュアに負けることは絶対にないといいますが、芝居では、高校生やアマチュアの人の舞台がプロより面白いことがあります。
ひとりの人物を演じる時、その役により近付くことが出来れば、演技力の差はあまり意味をなさないこともあるのだと思います。
だから僕は普段から、何んとなく人前で胸を張って「プロ」という言葉が使いにくいのです。

でも、今言ったようなことは、アマチュアの人には難しいのではないでしょうか。
ひとつの芝居を、どのような劇場でも、面白さを損なうことなく同じようにお客様に提供すること。
何十回でも。
これはプロフェッショナルの仕事だと思うのです。

明日は、平塚に行ってまいります!





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  1. 2013/03/30(土) 23:11:50|
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空席

青少年センター

こは横浜。
桜木町駅を、みなとみらいと反対の山側に出て、少し歩き、紅葉坂という坂を上ったところにある、神奈川県立青少年センターの前。
向こうに見えるのは、ランドマークタワー。

舞台、「隣で浮気?」の公演でやってきました。
イギリスの劇作家、アラン・エイクボーンの傑作コメディーです。
4年前、下北沢の本多劇場で初演した際、大好評を博し、神奈川県の演劇鑑賞会・市民劇所の例会として取り上げて貰えることになりました。

全国には、演劇鑑賞会、市民劇場という、会員制の演劇鑑賞団体があります。
専従の事務局の方と、会員の皆さんで運営され、東京で上演された優れた舞台を、例会として呼んでくれます。
一昨年と昨年に上演した「親の顔が見たい」も、静岡、信州の例会でした。

演劇鑑賞会、市民劇場の例会に取り上げて貰うことは、三つの大きな喜びがあります。
一つ目は、その舞台が評価されたということ。
これは役者として大きな栄誉です。
二つ目は、再演できるということ。
ひとつの舞台を何十回と演じ、役を深く掘り下げることは、大変な勉強になります。
そして、三つ目は、劇団として経済的にとても助かります!

前にも書きましたが、僕は学生時代、札幌の演劇鑑賞会の会員でした。
会員になるまで、芝居は観たことがありませんでした。
それが、色々な舞台を見ている内に、すっかりその世界に魅了され、白衣を着て試験管を振っていた僕は、この道に入りました。
そして今は、地元横浜の演劇鑑賞会の会員でもあります。
いつも例会を見ている劇場の舞台に、今回は自分自身が立ちます。
当然、客席の僕の席は、今回は空席です。
そこに、30年前の自分が座って、今の僕を観ているつもりで演じようと思います。
なんてね!

横浜を皮切りに、茅ヶ崎、平塚、鎌倉、相模原、川崎、多摩・麻生、横須賀、厚木・海老名、藤沢と公演は4月下旬まで続きます。



  1. 2013/03/20(水) 11:07:28|
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怪しきヒトビト

ばる倶楽部の「THEパーティー」、盛況の内に終わりました!
ご来場の会員の皆さま、どうも有難うございました!

僕は今回、司会でした。
いや~緊張しました。
舞台で台詞を言ってる方がずっと楽です!

遠藤マツコ

ーティーにお招きした、ゲストのマツコさん。
得意の毒舌トークで、パーティーを盛り上げてくれました。
ん?でも、この人、ウチの遠藤純一に似ているような。
怪しい…!

ニイニイお茶場

の怪しい女性は、後輩のニイニイ(新野美知)。
2月の舞台「イノセント・ピープル」の楽屋でのスナップです。
楽屋の通路にはお茶場があり、コーヒーやお茶と一緒に、お菓子など、色々な食べ物が置いてあります。
舞台の始まる前や、幕間の休憩時間に、出演者やスタッフがここに来て、お茶を飲んだり、お菓子を食べたり、掲示板に貼られた記事の切り抜きなどを読みながらくつろぎます。

しかし、これは休憩時間ではありません。
本番中。
しかも彼女の出番の直前!

以前のブログで、「ニイニイは、稽古場でいつも口をモグモグさせている」と書きましたが、彼女は本番中もモグモグさせているのです。
純真で、純粋で、情熱家で、聖女のような彼女。
ああ、この食い意地さえなければ…
でも、完璧な人間なんて、つまらない。
欠点のひとつぐらいなければ。
特に俳優はね。

欠点だらけのヒトもいますが…



  1. 2013/03/06(水) 00:34:07|
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